(#`・Д・´)ムムッ!? と思ったあなた・・・
正解です(・∀・)
どうも、ピサです。
ネット上では(ここもネット上だけど)、2024年の能登半島地震などが人工地震だとのたまうバカがいますが、真っ赤な嘘です。
それが真っ赤な嘘だということは、他のところで確認していただきたいのですが(例えばこのNHKのニュースとか)、ここでは実際にアメリカなどで確認されて、問題視されている人工地震の仕組みについて解説していきます。
世界中で起こる人工地震
人工地震が政府によって起こされたとか、フリーメイソンによって起こされたとか、そういうのは面白い話ですが、せいぜいミスター関にでも語ってもらう程度にしておきましょう。
しかし、人間が原因で起こっている地震は実際にあります。
そういう地震を専門用語では誘発地震というのですが、ここではそれを人工地震と呼ぶことにします。(補足)
その人工地震ですが、2017年に有名なアメリカの科学雑誌「Seismological Research Letters」に掲載された論文によると、過去150年の間に人間の活動が原因で起こった地震は、なんと、728か所にも及ぶそうです。
では、そのような人工地震が起こる原因とは何なのでしょうか?
人工地震が起こる原因は主に4つです。
- 地下への液体投入
- 天然資源の大量採取
- ダムの建設
- 爆弾
地下への液体投入
地下への液体投入が原因で起こった地震として有名なのは、1962年から4年にわたって起こったデンバー地震です。
デンバーとは、アメリカはコロラド州にある都市の名前です。
一際目立つ建築が特徴のデンバー美術館や、タイタニック号沈没事故の生存者として有名なリーブラウン邸博物館で知られています。


うん。一度は行ってみたいですね! ☆(ゝω・)vキラッ
そんな美しい都市デンバーでは1962年のあるころから、北側の地域で小地震が起こり始めました。
それから4年の間地震が起こり続け、実際に被害のでる地震もありました。
そして、その地震と同時期に行われていた大規模なプロジェクトがありました。まさしくそれが、地下への液体注入です。
この液体の注入は、デンバーの北にある、軍需工場の排水を処理するために行われていました。
1962年というと、第二次世界大戦終結の1945年から17年後のことです。大戦中に使われていた兵器を造る工場がまだ残っていたというわけなのです。
兵器を生産するときには大量の廃液が出てしまうんですが、この工場はそれを垂れ流しにしていたんですね。そうすると、まあ当然周囲の農作物に影響が出ます。(日本の公害問題と同じですね・・・)
これは困ったということで、じゃあ廃液を地下に閉じ込めちゃおうということになったのです。
さて、地震が起こった当初は何が原因か、ということは全く分かりませんでした。しかし、その後の研究により、デンバー地震の原因が地下への液体注入にあるということが明らかになりました。
根拠は二つ。
まず、デンバーでは地震計が置かれてから、30年の間、マグニチュード3以上の地震が起こったことは、一度もありませんでした。しかし、1962年に地下への廃液の投入を始めてから、急に地震が起き始めたのです。
さらに、以下の図をご覧ください。
1962年以降の廃液注入の水圧と、地震数のグラフです。水圧が大きくなるほど、地震が多くなるという対応関係が読み取れます。
これらの根拠をもとにして、実際にいくつかの論文でデンバー地震と液体注入の関係が結論づけられています。
天然資源の大量採取

マイクラでは奈落の底まで採掘を進めても何の影響もありませんが、現実では違うようです。
近年、フラッキング(水圧破砕法)という新たな手法で天然資源(石油・天然ガスなど)の採掘が進められているのですが、それが人口地震の原因となっているのです。
実際、すでにアメリカの地震危険度予測マップには、人為的な要因による、誘発地震の予測が含められています。

特に人工地震の危険性が高いのはオクラホマ州です。
オクラホマ州のある地域では、フラッキングを始める前の1970年から2009年までの約40年間で地震は100件以下でした。
しかし、フラッキングを始めたことにより、2014年の1年間で地震件数が約600件と激増してしまったのです。
さらに2011年には、オクラホマ州のプラーグという地域で、フラッキングが原因とみられるマグニチュード5.6の地震が発生しました。この地震は、オクラホマ州では、記録上過去最大規模の地震で、煙突が倒れるほどの大きい被害が出ました。
フラッキングの危険性は世界中で警戒されていて、
・ニューヨーク州(2015年)
・ドイツ(2016年)
・イギリス(2019年)1
・フランス(2011年)
以上の国や州はフラッキングを禁止しています。
ダムの建設
ダムの建設による人工地震もアジア・ヨーロッパ・アメリカ、さらには、アフリカからオーストラリアまで世界各地で起こっており、国際的には常識になっています。
そして、日本でもダムの建設が人工地震を起こしたのではないか、と疑われている事例があります。
その一つは黒部ダムです。
黒部ダムは北アルプスの雄大な自然にそびえ立つ、日本一の高さを誇るダムです。
黒部ダムは1960年に貯水が開始されたのですが、その後、地震の数が増えています。次の図をご覧ください。
上の曲線が黒部ダムの水位、下の折れ線が地震の数を示しています。あまり強い対応ではありませんが、水位が増えると地震数が増加しているのが見て取れます。
他にも御母衣(みぼろ)ダム、牧尾ダムなどが人工地震を起こした疑いがかけられていますが、はっきりとダムが原因の人工地震だと結論づけることはできません。
世界ではダムによる人工地震が確認されているにも関わらず、日本では確認されていない理由は二つあります。
一つ目は、ご存じのとおり日本が地震大国で地震がよく起こるので、自然に起こった地震と人工地震が見分けにくいことです。
二つ目は、日本のダムが世界に比べて小さいことです。
日本で最も貯水量が多いダムは、岐阜県にある徳山ダムで、6億6千万立方メートルです。一方、世界最大の貯水量のダムは、ジンバブエ・ザンビアにあるカリバダムでその容量はなんと、1800億立方メートルです。
このような事情を考えれば、日本でも確認されていないだけで、ダムによる人工地震が起こっていることが予想されます。
爆弾
爆弾でも人工地震を起こすことができます。
といっても、東日本大震災(マグニチュード9.0)や能登半島地震(マグニチュード7.6)のような大規模な地震を起こすのには大量のエネルギーが必要となるので、実行するのは厳しいでしょう。
ではどのくらいの威力が出せるのか、というところが気になりますが、ソ連が1961年10月に行った、史上最大の水素爆弾「ツァーリ・ボンバ」の実験では、マグニチュード5.0~5.25の人工地震が観測されています。
マグニチュードが1上がると地震のエネルギーは32倍になるので、東日本大震災や能登半島地震を人工的に起こすためには、ツァーリ・ボンバの何千、何万倍もの威力の爆弾を誰にも気づかれずに爆発させる必要があるということです。
また、人工地震を、某民主主義人民共和国の核実験を観測するのに応用することも試みられています。
- ただしイギリスは2022年にフラッキングを解禁している。 ↩︎